ギョウジャニンニクと間違えやすい有毒植物イヌサフランとは?
目次
はじめに
ちょっと不思議な植物「イヌサフラン」についてお話しします。
イヌサフランは、見た目が美しくて園芸植物として人気ですが、実はとても危険な植物なんです。
まずは基本情報からいきましょう。
イヌサフランの基本情報
- 一般名: イヌサフラン(別名: コルチカム)
- 学名: Colchicum autumnale L.
- 分類: ユリ目、イヌサフラン科、イヌサフラン属
- 英名: autumn crocus
- 原産地: ヨーロッパ中南部~北アフリカ
見た目と育て方
イヌサフランは多年生の球根植物で、9月から10月にかけて美しい花を咲かせます。
花はアヤメ科のサフランに似ていますが、イヌサフランは室内でも球根から花を咲かせることができます。
翌春には20~30cmほどの葉を出し、寒さに強く、何年も同じ場所で育てられます。
毒性と中毒のリスク
イヌサフランにはアルカロイドのコルヒチンが含まれており、これが強い毒性を持っています。
中毒症状としては嘔吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難があり、重症の場合は死亡することもあります。
具体的な中毒事例としては、以下のようなケースがあります:
- 2013年6月3日: 石川県で女性が誤ってイヌサフランを食べ、中毒症状を発症。
- 2013年6月23日: 札幌市で女性が誤食し、腹痛や嘔吐を訴えて病院に搬送。
- 2015年6月21日: 札幌市で男性が家庭菜園で採取したイヌサフランを食べて死亡。
- 2015年9月22日: 山形市で女性がイヌサフランを食べて死亡。
- 2024年5月17日: 札幌市内で2人が死亡。
ギョウジャニンニクとの違い
イヌサフランはギョウジャニンニクと非常によく似ていますが、全く異なる植物です。
ギョウジャニンニクは食用で安全ですが、イヌサフランは有毒です。
葉の形が似ているため、特に春に誤食するケースが多いので注意が必要です。
誤食を防ぐための対策
- 球根の保管: 子供や認知障害のある人の手の届かない場所に保管しましょう。
- 植え分け: 観賞用の花壇と家庭菜園を別々にする。
- 葉の確認: 春にはギョウジャニンニクやギボウシなど、食用の葉と混同しないように注意。
おわりに
イヌサフランは美しい花を咲かせる魅力的な植物ですが、その美しさに惑わされず、しっかりとその危険性を理解して楽しんでくださいね。
誤食による中毒を防ぐためにも、正しい知識を持って取り扱いましょう!
イヌサフランとギョウジャニンニクの違いをしっかり覚えておくことが大切です。
お庭や家庭菜園を楽しむ際には、くれぐれもご注意を!